ゼロから始めた不動産投資生活

10年間で数億円を手にするまでの自虐的ドタバタ劇

不幸王子gatsbyさん、黒歴史を語る。 ⑮ 真実の先にあるもの。 ファントムになるgatsby君。 

 こんにちは、gatsbyです! (>_<)

 

 やっと写真の犯人編まできました。A子の事を書きすぎて、全然進みませんでしたけ

ど、やっとです。ちょっと長いですが、読んでくれると嬉しいです。

 

 ↓ 投資の話に興味がある方はこちらも読んでね?

 

www.gatsby.website

 

 

 「ふぅ。」

 私は缶コーヒーを片手にコンビニの入り口が見える位置に立っていました。

 時計は夜の十時を回っていました。

 

「セブンイレブン...」の画像検索結果

  

  「彼女、きっと後悔している。」

 A子は私にそう言いました。

 A子が私の情報を集めていた段階で、写真の事件も知り、その同時期に学校に出てこ

なかった子がいた、と話してくれました。

 そしてその子は、A子の探りに分かり易いぐらい顔を青くして反応した、とも付け

加えました。

 私はその子を知っていました。N美という、ちょっと内気な子でした。

  以前にも何度か悩み相談を受けた事がありました。

 「う~ん。彼女、今は学校に来ているの?」

 「それがね、まだ休んでいるみたい。」

 そういえば、最近、同じ女子のグループにも姿を見ていない気がしました。

 「了解。ありがとう。後は何とかする。」

 「また、助けるの?」

 「うん? ああ。きっと彼女、取った事で悩んでると思う。」

 「そのgatsby君の無償の優しさは罪だよ?」

 「それが罪なら、オレは幾らでも罪名を被るよ。それにー」

 私はA子に向き直りました。

 「その子達がそれで救われるなら、それがオレの免罪符になるし、ね?」

 「ばか、女たらし!」

 「お褒めにあずかり光栄です、お嬢様?」

 私は少しおどけた後で、A子に礼をいうと教室を出ようとしました。

 その刹那、袖を引かれました。

 「あまり……その、ね?」 

 彼女は袖を掴んだまま、顔を赤くしています。

 「ふふ、ヤキモチですか? お嬢様?」

 「…………悪い?」

 「いえ、結構ですよ。では、行ってきまー」

 その刹那、彼女は私の首に抱きつき、頬にキスをしました。

 「上手くいきますように。それと、変なことしたら許さないんだから、ね?」

 「それは了解しました。でも本当にお嬢様は、おイタが過ぎますよ?」

 「じゃぁ、お仕置きを待ってるね?」

 「もう、お嬢様には勝てないですね。では、行ってきます。」

 私は今度こそオーバーな程に仰々しく礼をつくして、教室を後にしました。

 

 

 

 N美がコンビニのバイトを終えて、店から出てきました。

 「おひさしぶり♬」

 私は彼女を驚かせないように、そっと話しかけました。

 暗がりから出てきた私を見るなり、彼女は硬直しました。

 「N美さん、ちょっとお願いがあるんだけど、いい?」

 「…………私に?」

 警戒する彼女に、私は満面の笑みを作り、頷きました。

  

 

 私と彼女は、コンビニ近くの公園に移動していました。

 「ブランコだ、懐かしい!」

 街灯に照らされる二つ並んだブランコに私は座り、彼女にも勧めました。

 「ふふふ、何年ぶりだろ!」

 私は下を向いて隣のブランコに座っている彼女を横目に、はしゃいでいました。

 「らしくないですよ、gatsbyさん。私に用事があるんでしょ?」

 「うん!」

 私はブランコの速度を落としました。

 「N美さん、最近、学校に来ていないでしょ?」

 「……。」

 「どうして? 誰かとまた上手くいかなくなった?」

 彼女は首を横に振りました。

 以前に受けた相談は、友達と上手くいかなくて学校に行きたくない、という内容でし

た。

 「ほっておいて……。」

 「う~ん、それがね~、ちょっとね~。」

 「gatsby君には関係ないでしょ? 私が学校に行こうと休もうと。」

 N美は俯いたまま、話しました。

 「そうはいかないんだ。オレは身勝手でね。よっと。」

 私はブランコから飛び降りると、うつむく彼女に目線を合わせるために彼女の前で

しゃがみました。

 「自分の相談者が不幸になるのを見るのが嫌なんだ。それは相手のためじゃない。自

分の無力さを感じるのが嫌なんだ。だから、君には学校に来てもらわないと困る。これ

が、オレのお願い。」

 「自分勝手だよ。」

 「そう。元々、人間なんて自分勝手にできている。好きな人ができれば振り向いてほ

しいし、傍にいれないのならその人の物でも欲しくなる、だから人生は退屈しない。本

当にそう思うよ。」

 彼女は一瞬、顔を上げました。目には涙を貯めていました。

 「あたしの事なんて……ほっておいて……よ。お願い……お願いだから。」

 「ダメだ!」

 私は彼女の両腕を両手で掴みました。彼女は驚き、泣き顔のまま顔を上げました。

 そして私はおもむろに立ち上がり、片手で自分の顔を覆い、それからゆっくりその手

外しました。

 「おお、N美。私の顔は思いのほか醜いだろ。この禍々しき怪物は地獄の業火に焼か

れながらも天国へ憧れるー」

 私は大きな身振りを返しながら、セリフを言い切りました。

 「……オペラ座の怪人。」

 

 ↓ ファントムってこんな感じです。私が演じたのは、ファントムが誘拐した子に仮

面をとって素顔を見せるシーンです。

 

 「流石、読書家のN美さん! わかっていらっしゃる!」 

 私は伊達メガネを指で押し上げ、言葉を続けました。 

 「オレは所詮、誰からも嫌われているファントムなんです。君が悲しむ事はない。」 

 「嫌われてるなんてー」 

 「だったら、それを証明してほしい。」

 立ち上がった彼女の前で私は片膝をついて彼女の手を取りました。 

 「お嬢様、約束してください。ちゃんと学校にくるって。」 

 彼女は一瞬驚き、涙顔でクスクス笑い始めました。 

 「ふふ、もう! gatsby君ぐらいだよ平気でこんな事をするの。」 

 「おかげ様で、男子からは嫌われ、敵も多くて困ります🎶」 

 私は立ち上がると、一緒に笑いました。 

 そして彼女は再び口を開きかけると、同時に瞳から一粒の涙がこぼれ落ちました。 

 「うう……ごめん……なさ……い。」 

 私は泣き始めた彼女の髪をゆっくりと撫でました。 

 静かな夜、静かな公園。静寂がすべてでした。 

 彼女は私に話してくれました。相談をしているうちに私を好きになっていった事。だ

けどライバルが多すぎて、自分じゃ無理だと知った事。たまたま遊びに私の部屋に来

た時に、見た写真がどうしても欲しくて取ってしまった事。毎日罪悪感に襲われ、どう

していいか分からずに、家に閉じこもっていた事。

 私はただ黙って彼女の告白を聞いていました。

 「そっか、辛かったね。」 

 「…………ごめん……なさい。」 

 「もういいよ。そのかわりー」 

 私は彼女の頭をポンポンしてから、顎を指で持ち上げました。 

 「明日からはちゃんと学校にくるんですよ、お嬢様?」

 彼女は私に抱き着くと、泣きながら頷きました……。 

 

        

 

 後日、無事に写真も返却され、彼女もいつも通りに学校に登校するようになりまし

た。そして、この件は解決できました。

 まぁ、でもその後にまた 

 写真は盗まれるんですけどね!! ( ゚Д゚) 

 次回、  

   gatsby黒歴史、まだまだ続きます。    

    お楽しみに!! 

  

   

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モテキ(1) (イブニングコミックス)

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