不幸王子gatsbyさん、黒歴史を語る ⑧「部屋とYシャツと私」 美少女編 エピソード 4
こんにちは、gatsbyです! (*'▽')
さて、gatsby君は甘えん坊な猫耳A子に陥落するのでしょうか?
それとも上手く交わせるのでしょうか?
それとも実は、どんでん返しで結ばれてしまうのか?
(=^・^=) (=^・^=) (=^・^=)
↓ 前回の復習だよ 🐈
ここから始めるgatsby的黒歴史、 いくにゃん♡ (=^・^=)
「わ、えへ♡ どこに連れていく気かにゃん、ふふ♡」
「お嬢様の望みのままに。」
私は彼女の寝室に足を向けました。
上機嫌な彼女から寝室のドアを教えてもらい、その先まで私はA子をお姫様抱っこで
連れていきました。その部屋には小物やぬいぐるみ、ドレッサー、そして木製の彼女ら
しいナチュラルなベットが置かれていました。
私はお嬢様をベットへとゆっくり下ろし、ダウンケットを掛けました。
「寂しいからgatsbyも一緒に寝てにゃん♡」(=^・^=)
彼女は鼻の上までダウンケットを持ち上げると、私にお願いをしてきました。
いきなりの先制攻撃です。(-_-;)
ベットからの上目遣いは反則中の反則です……。
でも、
最終戦線です!! 撤退は許されません!! (*'▽')
「さぁ、どうしましょう?」
「いじわる……しないで?」
ベットの横でひざまずく私に彼女は、静かに心を侵略してきます。
「今日のお嬢様は少しばかり、おイタが過ぎましたね? ご褒美よりもお仕置きが必
要です。」
すると彼女はベットの上で上半身を起こして、私へと手を伸ばしました。
「どんなお仕置きでも……好きにしていいにゃん♡」
彼女は私の手を取ると自分の頬にあてがい、グロスののった唇でその手にキスをしま
した。
セリフと行動が、エロゲー過ぎる件について、語る?
もう、崩壊する、崩壊ーーーーー! ( ;∀;)
心の叫びでした。すみません、読者の皆様…………。 <m(__)m>
「そ……うですね…………。」
手とはいえ、そんな経験もないgatsbyは一瞬パニックになりそうでした。
私は考えるふりをして、理性の防御壁の修復に全力を傾けました。
情報を整理します。
猫耳をつけた美少女がYシャツ一枚で、可愛いピンクの下着姿ー
グロスののった小さな唇と私を求める可愛い瞳ー
どうにもなりません、無理です……。 (*'▽')
修復されては壊される、その繰り返しに自分自身の禁忌も吹き飛びそうです。
彼女を抱くのは悪い事? 彼女はそれで幸せかも? 彼女のためのー
彼女を抱くための、くだらない言い訳を並べる自分自身の欲望に吐き気がしました。
死んでくれ、自分!! (-_-メ)
本気でそう思いました。自分で決めた契約を自分で破棄しようとする己に、怒りを覚
えました。契約とは、伊達メガネをかけると決めた時に自分自身に課した取り決めでし
た。
内気な自分が嫌で、自分自身が変わるためにかけた魔法、それが伊達メガネでした。
何冊も小説を読み、何本もの映画を見てはそのセリフ、言い回し、しぐさを繰り
返し覚え、鏡の前で何度も練習をして、大学という舞台に立った配役がドS的ツンツン
男子gatsbyでした。
ここでその配役を降りるわけにはいきません。
最後の砦、伊達メガネを私は小さく息を吐きながら立て直しました。
ではお嬢様、私の好きにお仕置きをさせて頂きます。
私は自分の欲望と戦うように、一度彼女を引き寄せました。
「あ♡ gatsby、もう♡」
「さぁ、ベットに入りますよ?」
甘い香りがするA子をやさしく寝かせ、私はベットの横で彼女にダウンケットを掛け
ました。
「あれ? gatsbyたんは? おかしいにゃん?」
「今日はおイタが過ぎたお嬢様の罰とこのような状態にしてしまった私めの罪により
今宵は、
お預けです。 (*'▽')
私の言葉に彼女は目を丸くしました。
そしてその刹那ー
ベットから飛び出すように彼女は私に抱き着きました。
え!? ('_')
完全に予想外な彼女の行動に、思考回路が停止しそうでした。
小説では、ここで朝まで手を握っている鉄板パターンなのに???
どうやら、彼女の行動係数の値を読み間違えたようです…………。(-_-;)
私は勢いあまって、彼女を抱えるように倒れました。
「それは嫌にゃん! 他の子にgatsbyを取られちゃう! 私はー」
「お嬢様ー」
混乱する頭を修正しつつ、次のセリフを検索しました。
ひゃ!? ( ;∀;)
その刹那、危うく私は喘ぐところを堪えました。
A子は私の首筋にキスの嵐です……。(*'▽')
「好きだお、gatsby♡ 取られるぐらいなら、食べちゃうにゃん♡ 食べちゃうにゃ
ん♡」
「お、ひゃ、お嬢様ー」
私は彼女のフェロモンにクラクラし、自分の性欲に完敗寸前でした。
エマージェンシー、エマージェンシー!! ( ;∀;)
心の中で鳴りやまない警報に、自分を奮い立たせました。
私は暴れる自分の欲望と彼女に抱き着かれたまま、言葉を続けました。
最後の抵抗です。 ( ;∀;)
「お嬢様をここまで追い詰めた事とこれほど酔われたのは、私の罪です。お許しくだ
さい。」
「gatsbyは何も悪くないにゃん!!」
彼女は一度体を起こすと、私に馬乗りの体制になりました。
「ねぇ、答えて。gatsbyは私の事、好き?」
「もちろん、好きですよ、お嬢様。今宵はA子様のgatsbyですから。」
私は絶望的な限界値ギリギリで満面の笑みを作りました。
「もう、ずるいよぉ。なんでワザと否定も肯定もしないのよぉ!」
彼女はそう言って再び私に抱き着きました。
うわ!! もうー (+_+)
大好き、大好き、大好き、gatsby…………。(=^・^=)
「…………知っていますよ、お嬢様。」
私はとうとう、彼女の華奢で壊れそうな体をそっと抱きしめました。
A子は何度も耳元で同じセリフを吐き、私は彼女の頭を撫でながら同じ返事を繰り返
し答えました。
ギリギリの崖っぷちでした。
そうしているうちに、耳元で彼女の小さな寝息が聞こえ始めました。
シャンパンのアルコールがやっと彼女を眠らせてくれたようです。(-_-;)
「ふぅ。」
欲望の淵へ落ちてゆく寸前で、長い長い戦いが終わりました。A子がシャンパンで陥
落してくれた苦い勝利です。
やっと、終わった…………。 ( ;∀;)
それが心からの、色々な意味でのため息でした。
私は体制を立て直して、彼女をそっとベットに戻しました。
そして私が彼女を苦手な理由がその時分かった気がしました。A子のこの真っすぐさ
が、私はうらやましかったんです。誰にも好かれ、嫌みのない可愛さ、わけ隔てない接
し方、すべてが自分にはない物ばかりで、まるで自分が偽物、フェイクだと言われてい
るようで彼女を避けていたんだと確信しました。
ズキンッ……。(-_-;)
それに気づいた私は心が痛みました。gatsbyを演じる上で感じた事のない感覚でした。
「う~ん。ga……tsby……。」
「はい、お嬢様。gatsbyはここにー」
寝言で私の名を呼ぶ一途な彼女に寄り添い、私はー
「おやすみなさいませ、お嬢様。」
私は彼女が寝ているのを確認してから、静かに部屋を後にしました。
そしてポチの待つ部屋に帰宅したのは朝方でした。
次回、
待ち受ける刃と裏切りー
お楽しみに!!
↓あ、彼女さん♡それ私のブラ……お兄ちゃん、欲しいからってダメだぞ♡押すから♡