ゼロから始めた不動産投資生活

10年間で数億円を手にするまでの自虐的ドタバタ劇

銀行員から見る複数棟所有の不動産投資家の危機

 こんにちは、gatsbyです。

 

 最近はあの事件があってから、メイン銀行の渉外がちょうくちょく事務所に来ます。

 その時に上がった話題を記事にしたいと思います。

 

 ↓ その事件。 

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 「社長、お忙しい所、すみません」

 「いやいや、今日は雨で事務所にいたから。さぁ、どうぞ」

 降り続いている雨の模様の話をしながら、私は渉外担当者を事務所に招き入れまし

た。

 そして事務所のソファーに腰かけた彼に缶コーヒーを手渡しました。

 「銀行さんのほうこそ今時期、忙しいでしょう?」

 「はは、まぁ時期が時期ですから」

 半期にあたる9月は銀行さんも色々な意味で忙しいのは私でも知っていました。

 苦笑いする渉外の彼と軽くこの町の景気などの話題から始めました。

 今は消費税増税前の駆け込みで多少は潤っているけれど、結局は前倒しで仕事が増え

ているだけで将来の状況は依然として深いトンネルだ、と。

 「困っている企業は沢山あるのだから銀行さんが応援してあげればいいじゃない?」

 私は雨の日には傘を取り上げる銀行さんに、ちくりと嫌みを言いました。

 「私達も地元を支える企業にお金を貸したいのですが、いかんせん数字が悪くて……

どうにもなりません」

 「銀行さんも慈善事業じゃないから、しょうがないか。金のある人には貸して、ない

人からは取り上げる商売だもんなぁ」

 「社長、勘弁してくださいよ」

 「はは、わかっているよ」

 銀行さん虐めも一通り終わると、彼らの本題、投資信託の追加購入のお願いを聞いて

あげました。

 融資、保険、投資信託と支店に課されたノルマは大きく彼も必死でした。

 「日経も荒れているから、少し様子を見るよ」

 一通り説明を聞いて私はそう答えました。

 「うん? 社長、その資料は?」

 「ああ、今週の週末に見に行く築古木造だよ」

 私は彼のその資料を手渡しました。

 「耐用年数オーバーですか……」

 「それでも地下鉄徒歩5分で3000万。悪くないんじゃない? もちろんその値段

では難しいから値交渉はするつもりだけど。その時は1000万円ぐらい貸してもらう

かもしれないけど。ダメなら現金で行くつもり」

 「ダメって事は無いです!! できる限り頑張らせていただきます」

 その型どおりの返事に今度は私が苦笑いをしました。

 「そういえば、築古で思い出したのですがーー」

 彼は資料を机の上に戻すと別の話題を始めました。

 「うちの支店ではないのですが、新築RCで複数棟持っているオーナーさん、7~8

棟らしいのですが築古木造アパートの融資を申し込まれる事が多いっていう話を聞きま

した」

 「ああ、なんか想像できる」

 私は直ぐにピンッときました。

 複数棟と言う事は、当たり前に頭金を入れてないので、手残り現金が少なく、RCな

ので税金もバカ高い。今までは景気の良さで買い続けられたけど、ここにきて融資を受

けるには頭金が2~3割入れないと貸してくれなくなったので行き詰ってきたのでしょ

う。

 もし高利回りの築古木造を買えれば、手残りも増えるし、建物の減価償却も大きく取

れて高い税金も抑えられる。一石二鳥以上の効果が見込まれます。

 でも、しかしです!! ( ゚Д゚)

 世の中、そんなに甘くありません。

 7~8棟ならば融資額でも10億近いです。

 普通に計画して買い、そこまでの規模を持てば、多少の事ではふらつかないはずで

す。

 なら、どうしてそうなったのか?

 それは、元々頭金をいれて返済比率を下げていれば、複数棟を持っても問題ないので

すが、数百万円しか持っていない人がフルローンやオーバーローンで借り続けれて増や

した不動産の手残りなど、あってないようなものだからです。

 だから、世に歌われた色々な方法で融資の付きやすい新築RCを複数棟上手く買えて

きた人ほど、買い続けなければならないのです。

 それは入居者の入れ替えで、家賃が新築プレミアムの価格が終わり、通常価格まで下

がると手残りが減ります。

 その上、数年が過ぎると軽減税率がなくなり、RCの高い固定資産税が大きく金額が

跳ね上がります。

 こういう事が、RCを頭金なしで買った人が経営的にふらつく事実です。

 「それで融資してあげたの?」

 私は分かり切っている事を質問しました。

 「はははは、

 無理に決まっているじゃないですか。('_')

 渉外の彼は、笑いながらも目は笑っていませんでした。

 「それだけの規模の借金をしてもなお、経営が安定しないから築古木造を融資してく

れなんて、自分からもう破産してますって言っているような物じゃないですか」

 「まぁ、そうかもしれないけどさぁ」

 「問題なのはそれが一人ではない、と言う事です」

 「はははは、銀行さんも大変だね」

 「夢を見て、メガ大家になりたいと頑張るのは良いですが、張りぼての虎じゃうちも

融資などできません」

 「手厳しいね。でもそれはしょうがないか。失敗すれば銀行さんも投資家も両方が不

幸になるだけだからね」

 「そうですよ。経営は堅実が一番です。社長みたく」

 「よいしょをしてもオレは何も買わないよ?」

 最後は通過儀礼的なよいしょを受けて銀行さんとの交渉は終わりました。

 

 

 色々なブログで新築派や築古木造派、現金派に融資派と色々あります。

 私は安定経営できれば、新築だろうが築古だろうが良いと思います。

 問題は、

 失敗しない事。

 これが至上命題です。成功した後の夢物語はブログでもツイッターでも山のように見

かけます。

 では、失敗した後の家族の模様、職場環境、その後の人生を見た事があるでしょう

か?

 gatsbyの失敗なんて笑い話程度です。

 生活基盤を失い、債権者に詰め寄られ、近所では噂になり、妻や子供が泣き続け、自

分の心も折れてしまう。

 そんな現実があります。それはきっと見た者しか分からないと思います。

 大事な事は欲望に抗い、冷静に投資を考える事。それにつきますね。

 

  ↓ 経営を失敗した後の話も書いています。

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