ゼロから始めた不動産投資生活

10年間で数億円を手にするまでの自虐的ドタバタ劇

不動産オーナーはそんなに偉いのか?

 こんにちは、gatsbyです。

 

 今日は6棟目のお話をお休みして、地元であった不動産オーナーとのやり取りを記事

にしたいと思います。

 

 ↓ こんな記事も書いていました。暇つぶしにどうぞ。

 

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 「ねぇ、パパ、Fさんって人から電話があったけど。知っている?」

 「Fさん?」

 夕方、一仕事を終えて事務所に帰ると、嫁がメモを片手に尋ねてきました。

 「Fさん……ああ、知ってる。思い出した。」

 その人は地元で不動産を所有しているオーナーさん夫婦でした。数年前、その60代

夫婦が買った築年数の古い一軒家を直す工事を頼まれた事がありました。

 でも、

 嫌だなぁ。(-_-;)

 私は嫁の前で愚痴をこぼしてしまいました。

 「Fさんと何かあったの?」

 「前にね、仕事は請け負ったけど予算がない予算がないって泣きつく上にさ、追加の

工事もマケてってゴネられたんだよ。」

 「うわぁ! 世間の悪イメージを地で行く不動産オーナーって感じね。」

 「うん。でもなぁ、断りづらいんだよ。知り合いの頼みで受けた仕事から。」

 「そっかぁ。連絡するって返事しちゃったから話だけ聞いてみて? それで嫌なら断

ればいいじゃない?」

 嫁はそう言って私にメモを渡し、事務所を出て行った。

 私は嫌な事は先に済ませないと気が済まないタイプなので、直ぐに連絡をしてみまし

た。

 プルルルルッ。

 「はい、Fですが。」

 「お世話になってます、gatsbyです。ご無沙汰しておりました。」

 ありきたりな挨拶を済ませ、私はどんな用件かを尋ねました。

 すると以前、私が工事した部分に不具合があるとの事でした。Fさんはできれば現地

を見てもらいたいというので、私は直ぐに職人を連れて現場に向かう返事をして携帯を

切りました。

 

 

 私と職人が現地に到着すると、すでにFさん夫婦が到着していました。

 私は先に車を降りて待っていたFさん夫婦に、挨拶をしようと頭を下げました。

 「こんにちは、不具合の連絡ー」

 値切ったから、かしら? ('_')

 突然、挨拶もなくFさんの奥さんが私に噛みついてきました。

 実はこのFさん夫婦は旦那さんはほとんど物事に口を出さず、奥さんが仕切っていま

した。

 その言葉に流石の私もカチンと来ました。

 それでも職人もいる手前もあり、作り笑いをしました。

 「とりあえず、不具合の個所を教えてください。」

 私がそういうと、建物の裏手だという事で皆で移動しました。

 ああ、ここ。('_')

 そこを見て職人も当時を思い出して、私に何か言いたげでした。

 「見て! こんなに腐って下地の木がボロボロになってるじゃない!? 直してくれ

るのよね!?」

 勝ち誇ったように激高する奥さんに私はため息をつきました。

 そして何も言わない旦那さんに目を向けました。

 「旦那さん。ここは下地木材が腐っているから大工さんに直してもらってくださいっ

てお願いしましたよね?」

 「え、そうだったか?」

 旦那さん、完全にとぼけています。

 「間違いないです。」

 たまりかねた職人が口を挟みました。

 「このままじゃ下地が数年も持たないからって説明しましたよね? でも予算もない

し、貸家だからそのままでって言いましたよね? 駄目になれば、その時考えるからっ

て言いましたよね?」

 「ううっ。」

 私の説明に旦那さんは奥さんを見ながら、あきらめたように頷きました。

 その時の奥さんの顔を見て私は確信しました。

 知っていてのクレームか。(-_-メ)

 数年前の工事なので、私が忘れていれば責任を押し付けてタダで直させるつもりだっ

たのでしょう。

 本当に、

 エグイです。(-_-メ)

 「それでもこのままじゃ壊れちゃうから、一時しのぎでも直せないかしら?」

 トーンを落として愛想笑いをしながら奥さんが私に言いました。

 すみませんの一言もないのかい!! ( ゚Д゚)

 私は奥さんの何事もなかったように頼むその姿勢に驚きました。

 うちの職人も目を丸くしていました。

 それでもうちが手を掛けた物件だったので、緊急修繕を施す事にしました。

 職人も連れていっていたこともあり、何とか早めに修繕する事が出来ました。

 「これでとりあえずは大丈夫だと思いますが、根本的な解決にはなっていないので早

期の本格的修繕をしてください。」

 私は職人に道具を片づけるように指示してから、奥さんにそう伝えました。

 そんな私を見て奥さんは言いました。

 タダでいいよね? (*'▽')

 はぁ!? ( ゚Д゚)

 一瞬、何を言われたのか理解できませんでした。職人も片づける手を止め驚いていま

した。

 「すみません、意味が分からないんですが?」

 「この現場工事もしてもらっていたんだから、サービスして頂戴。」

 奥さんは笑いながら言いました。

 これが別の現場なら、間違いなくタダにしています。私はなるべく工事をさせて頂い

たお客には負担を掛けないようにしたいし、そういうスタイルだと知って、家を指名し

てくれるリピーターが多いからです。

 でもー

 「料金はいただきます。私も職人もタダで働いているわけではありません。道具も使

うし、トラックだってタダでは走りません。」

 その時の奥さんの顔は見ものでした。

 目を一瞬つり上げ、財布を出しました。

 「いくらなの?」

 私はその料金を伝えると、その料金をさらに値切り始めてました。

 本当に可哀想な人だ。 (´・ω・`)

 必死に値切る奥さんをみて私はそう思いました。

 自分だけが儲ければいい、損はしたくないという強欲に取りつかれたみたいに見えま

した。その強欲がなければ、忙しいところすみません、の一言で工事代金もタダになっ

ただろうし気持ちよく取引だってできるだろうに、と私は思いました。

 「いいですよ、その金額で。」

 私は了承しました。値切った金額を渡す勝ち誇った奥さんからお金をもらい、職人と

二人でトラックに乗り込み、発進しました。

 「あの奥さん、異常でしたよね?」

 「多分、色々な所でああやって値切りをしているんだろ。でも案外、得しているよう

で損していると思うよ? 最初から値切る人間に安く工事する会社なんてないんだか

ら。」

 「そうですよね~、はは。」

 「それより低姿勢で頭を下げられた方が、職人ってひと手間ふた手間余計に仕事をし

てあげようと思うし、出来るだけ安くしてあげようと思うもん。金を払うから自分が偉

いと思う人間には本当になりたくないね。」

 そんな会話を職人としながら、私は帰路につきました。

 

 この話は地元でのほんの一例です。不動産オーナー以外にもお金を払う事で気持ちが

大きくなり、無理難題をいう人って結構います。でもそれって案外、得しているようで

損していることが多いって理解していない人は多いですね。どんな取引、交渉も人と人

です。相手の立場や気持ちを理解した方が、実は安く物を買ったり得する工事をしても

らう方法なのかもしれませんよ?